○音威子府村文化財保護条例

平成8年3月8日

条例第6号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)に基づき、その指定を受けた文化財以外の文化財で音威子府村(以下「村」という。)の区域内に存するもののうち、村にとつて重要なものについて、その保存及び活用のために必要な措置を講じ、村民が郷土に対する認識を深めると共に、文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で、音威子府村文化財(以下「村文化財」という。)とは、現に村内に所在し、この条例によつて指定された次に掲げるものをいう。

(1) 建物、絵画、彫刻、工芸品、書籍、古文書、考古資料及びその他の有形の文化的所産で、村にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらを以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、村にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらを以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業信仰、年中行事等に関する風俗慣習及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋、その他の物件で村民の生活の推移の理解のために欠くことのできないもの(これらを以下「民族資料」という。)

(4) 貝塚、古墳、会所跡、旧宅その他の遺跡で、村にとつて歴史上又は学術上価値の高いもの(これらを以下「史跡」という。)

(5) 庭園、橋りよう、峡谷、山岳その他の名勝地で、村にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの(これらを以下「天然記念物」という。)

(審議機関)

第3条 音威子府村教育委員会(以下「委員会」という。)に附属機関として文化財専門委員会(以下「文化財委員会」という。)を置く。

(所掌事項)

第4条 文化財委員会は、音威子府村の区域内に存する文化財の蒐集、調査及び研究に関する事務を所掌し、委員会の諮問に応じ、その意見を答申するものとする。

(組織)

第5条 文化財委員会は若干名の委員をもつて組織する。

2 委員は委員会が委嘱する。任期は2年とし、その再選は妨げない。但し、補欠の委員は前任者の残任期間とする。

(会長)

第6条 文化財委員会に会長を置く。

2 会長は、委員が互選したものを充てる。

3 会長は、会務を総理し文化財委員会を代表する。

(指定)

第7条 村文化財の指定は委員会が行う。

(指定の解除)

第8条 委員会は、次に掲げる各号の一に該当するときは、村文化財の指定を解除することができる。

(1) 村文化財が滅失したとき。

(2) 村文化財が著しくその価値を失つたとき。

(3) 村の文化財が村の区域外に移つたとき。

(4) 村文化財が法第27条第1項、第56条の3第1項第56条第1項及び第69条第1項の指定を受けたとき。

(5) その他前各号に定めるもののほか委員会が必要と認める事由があつたとき。

(指定及び解除の審議)

第9条 委員会は第7条及び前条の規定により村文化財を指定し、又は指定を解除しようとするときは、文化財委員会に諮問しなければならない。

(指定書通知及び告示)

第10条 委員会は第7条の指定又は第8条の解除をしたときは、その所有者又は村指定無形文化財の保存に当たつているもの(以下「保存者」という。)に指定書を交付し、若しくは回収し並びに権限に基づく固有者(以下「固有者」という。)に通知し、これを告示しなければならない。

2 委員会は村指定無形文化財を指定するに当たつては、当該村指定無形文化財の保持者(以下「保持者」という。)を認定しなければならない。

3 委員会は、第7条の規定による村指定無形文化財を指定した後においても保持者として認定するに足りるものがあるときは、その者を保持者として追加認定することができる。

4 第2項の規定による認定及び前項の規定による追加認定は、第9条及び第1項の規定を準用する。

(保存地域の指定)

第11条 委員会は、村指定有形文化財の建物、村指定史跡、村指定名勝及び村指定天然記念物の保存のため必要があると認めたときは、地域を定めて一定の行為を制限若しくは禁止することができる。

(保存施設の指定)

第12条 委員会は、第7条の規定により村指定有形文化財、村指定民族資料、村指定史跡、村指定名勝及び村指定天然記念物を指定したときは、関係人の同意を得てこれに必要な保存施設を設置することができる。

(管理義務及び権利義務の継承)

第13条 村文化財の所有者、保存者又は固有者(以下「所有者等」という。)は、この条例に並びにこれに基づいて発する委員会規則及び委員会の指定又は勧告に従い、村文化財及び前条の規定保存施設を管理しなければならない。

2 村文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は旧所有者の権利及び義務を継承する。

(届出事項)

第14条 村文化財の所有者等は、次の各号の一に該当する場合は、速やかに委員会に届出なければならない。

(1) 村文化財について権限の移動を生じたとき。

(2) 村文化財が滅失又はき損したとき。

(3) 村文化財の所在地が変更したとき。

(4) 所有者等の氏名、名称及び住所が変更したとき。

2 前項第1号の場合にあつては関係人の連署を必要とする。

(許可事項)

第15条 村文化財の所有者等は、村文化財に対して次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ委員会の許可を受けなければならない。

(1) 現状を変更しようとするとき。

(2) 保存の方法を変更しようとするとき。

(3) 第16条但し書きの規定により、村から補助金を受けた村文化財を村の区域外に移そうとするとき。

(経費の負担)

第16条 村文化財の保存管理修理又は復旧(以下「修理等」という。)に要する経費は所有者又は保存者の負担とする。但し、修理等に多額の経費を要し、所有者又は保存者がその負担に堪えないとき、その他特別の事情があるときはその経費の一部にあてさせるためには村は所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

(公開)

第17条 委員会は、村文化財の所有者に対し、3ケ月以内の期限に限つて村及び委員会の行う公開の用に供するため、村文化財の出品又は展示を勧告することができる。

(公開の経費の負担)

第18条 前条の規定により出品又は勧告したとき、その所有者等が出品又は展示に要した経費は村の負担とする。

(出品物に対する損害補償)

第19条 第17条の規定により出品又は展示したことに起因して村文化財が滅失又はき損したときは、その所有者に対して通常生ずべき損害を補償する。但し、所有者等の責任に帰すべき事由その他天災により滅失又はき損した場合はこの限りではない。

(報告)

第20条 委員会は必要があるときは、所有者に対して村文化財の現状若しくは修理等の状況につき、報告を求めることができる。

(埋蔵文化財)

第21条 土地を発掘して埋蔵物である文化財を調査しようとするときは、法第57条から法第65条まで及び法第84条の規定による。

(罰則)

第22条 村文化財を故意に破壊又はき損し、若しくは隠匿した者は100,000円以下の罰金又は科料に科する。

2 第15条の規定に違反した者は、50,000円以下の罰金又は科料に科する。

第23条 この条例の施行に関し、必要な事項は教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

音威子府村文化財保護条例

平成8年3月8日 条例第6号

(平成8年3月8日施行)